・プラズマクラスターから出るオゾンは、ペットや赤ちゃんに危険らしい
ネット上でこのような噂を目にして、購入をためらったり、すでに持っている製品を使うのをやめてしまったりしていませんか?
空気をきれいにするはずの機械が、体に害を与えるとしたら本末転倒です。
結論から言えば、プラズマクラスターは国際的な安全基準よりもはるかに厳しい基準で設計されており、人体への危険性は極めて低いことが証明されています。
しかし、「火のない所に煙は立たぬ」と言われるように、なぜこのような「危険説」が流れるのかには、科学的な理由と誤解が存在します。
本記事では、多くの人が不安に感じる「オゾン発生問題」や「副作用」について、医学的な観点やメーカーの検証データを交えて徹底的に検証します。
なお、そもそもプラズマクラスターに「ウイルス除去効果」があるのかどうか、その科学的根拠については以下の親記事で詳しく解説しています。
最大の懸念:「オゾン」は本当に危険なのか?
プラズマクラスターの安全性を語る上で、最も避けて通れないのが「オゾン(O₃)」の問題です。 「オゾンが発生するから危険」という口コミが散見されますが、これには正しい知識が必要です。
なぜオゾンが発生するのか?
プラズマクラスターは、空気中の酸素や水分に高電圧をかけて電気分解し、イオンを作り出します。この放電のプロセスにおいて、副産物としてごく微量のオゾンがどうしても発生してしまいます。
高濃度のオゾンは強い酸化力を持ち、人体(特に目や呼吸器)に有害です。
しかし、低濃度のオゾンは自然界(森林や海岸)にも存在し、殺菌や脱臭効果をもたらします。
つまり、問題なのは「オゾンが出るか出ないか」ではなく、「人体に害のある濃度が出るかどうか」です。
メーカー基準と自然界の比較
日本では、JIS規格(JIS Z 8802)や日本産業衛生学会において、室内での許容オゾン濃度が定められています。
| 人体に有害とされるレベル | 0.1ppm以上(作業環境許容濃度) |
| 自然界(森林・海岸) | 0.01 ~ 0.05ppm |
| プラズマクラスター発生機 | 0.05ppm以下(実測値は0.01ppm未満がほとんど) |
シャープの空気清浄機から発生するオゾン濃度は、自然界の森林の中にいるときよりも低いレベルに抑えられています。
したがって、医学的・科学的な観点から見ても、プラズマクラスターから発生するオゾンが原因で健康被害が出ることは「考えにくい」というのが結論です。
「プラズマクラスターで体調不良」の正体は?
しかし、SNSなどでは「プラズマクラスターを使ったら頭痛がした」「喉がイガイガした」という声がゼロではありません。 数値上は安全なのに、なぜこのような症状を訴える人がいるのでしょうか? これには3つの原因が考えられます。
1. 「オゾン臭」への過敏反応
オゾンには独特の「生臭いニオイ(プールの消毒臭に近いニオイ)」があります。 濃度が安全基準値以下であっても、嗅覚が鋭い人や化学物質に敏感な人は、このニオイを感じ取ってしまうことがあります。
ニオイそのものが毒性を持っているわけではありませんが、「不快なニオイ」を長時間嗅ぎ続けるストレスによって、頭痛や気分の悪さを引き起こすケースがあります。
これは「中毒」ではなく、香水の匂いで酔ってしまう現象に近いものです。
2. 気流による乾燥(ドライアイ・ドライマウス)
これはプラズマクラスターの「イオン」そのものではなく、「風」の問題です。 空気清浄機やエアコンの風が直接顔や体に当たり続けると、目や喉の粘膜が乾燥します。
3. 電極の汚れによる異常放電
メンテナンスを怠り、電極針にホコリやシリコンが付着すると、正常な放電ができなくなり、一時的にオゾン臭が強くなったり、「ジージー」という不快なノイズが発生したりすることがあります。
ニオイや音が気になったら、まずはユニットの電極部分を付属のブラシで掃除してください。多くのケースはこれで解決します。
電極の汚れは、イオン発生ユニットの寿命を縮める原因にもなります。正しいメンテナンス方法や交換時期のサインについては、こちらで詳しく解説しています。

常在菌への影響:良い菌まで殺してしまう?
もう一つの医学的な懸念として、「ウイルスを殺すほどの強力な力があるなら、人間の皮膚や喉にいる『良い菌(常在菌)』まで殺してしまうのではないか?」という疑問があります。
これについても、シャープおよび第三者機関の研究により安全性が確認されています。
実際、ラットを使った動物実験や、ヒトの皮膚に対する臨床試験においても、「皮膚への刺激性なし」「眼への刺激性なし」という結果が出ています。
ペットや赤ちゃんへの影響は?
抵抗力の弱い赤ちゃんや、体の小さなペットがいる家庭では、より慎重になる必要があります。
赤ちゃん・妊婦さんへの安全性
前述の通り、オゾン濃度は基準値以下であり、医薬品医療機器等法(旧薬事法)の規制対象となるような「強い殺菌成分」を散布しているわけではありません。
むしろ、空気中のアレル物質(ダニの死骸・フン)やウイルスを抑制するメリットの方が、赤ちゃんにとっては大きいと言えます。
犬・猫への安全性
犬や猫などの一般的なペットに対しても、問題なく使用できます。 ペット特有のアンモニア臭や体臭を分解する効果が高いため、ペットオーナーにはむしろ推奨される家電です。
【注意】小動物(鳥・ハムスター)への使用
ここで一つだけ注意点があります。 小鳥やハムスターなどの小動物は、人間や犬猫に比べて体が極端に小さく、呼吸器系も敏感です。
プラズマクラスター自体が直ちに害になるという報告はありませんが、以下の点に注意してください。
1. 風を直接当てない:
小動物は気流の変化にストレスを感じます。ケージに向けて直接風を送らないでください。
2. オゾン臭への警戒:
稀にですが、オゾン臭を嫌がって暴れる個体がいるかもしれません。導入直後はペットの様子を観察してください。
安全に使用するための「3つのルール」
副作用の危険性が極めて低いとはいえ、より快適に、不安なく使うために守っていただきたいポイントがあります。
卓上モデルなどをデスクで使う場合、吹き出し口から出る風(および最も濃度の高いイオン)を長時間、直接吸い込み続けることは避けましょう。
乾燥やニオイによる不快感の原因になります。50cm〜1m程度離すのが理想です。
今の住宅は24時間換気が義務付けられていますが、空気清浄機を使っているからといって換気口を閉じてはいけません。
空気清浄機は「汚れを濾し取る」ものであり、「酸素を作る」ものではないからです。
これが最も重要です。電極が汚れた状態での運転は、イオン発生効率を下げるだけでなく、異音や異臭の原因になります。
「変なニオイがする」と思ったら、まずは掃除。それでも直らなければユニット交換を行いましょう。
まとめ:正しく使えば、副作用よりメリットが圧倒的
プラズマクラスターの危険性について、オゾン発生や副作用の観点から検証してきました。
- オゾン:発生するが、自然界レベル以下の微量であり安全。
- 体調不良:主な原因は「オゾン臭への過敏性」や「風による乾燥」。毒性ではない。
- 常在菌:皮膚や粘膜の良い菌を殺すほどの強さはない。
- ペット・赤ちゃん:基本的には安全。小動物は風向きに配慮を。
医学的・科学的なデータを見る限り、プラズマクラスターが人体に危険を及ぼす可能性は極めて低いです。むしろ、ウイルスやカビ、アレル物質が充満した部屋で過ごすリスクの方が、健康にとっては遥かに大きな脅威と言えるでしょう。
「副作用が怖いから使わない」というのは、非常にもったいない選択です。 正しい知識と使い方で、プラズマクラスターが作る「きれいな空気」の恩恵を最大限に受け取ってください。





ウイルスは非常に単純で脆い構造をしていますが、細菌(常在菌)は細胞壁を持つ強固な構造をしており、数も膨大です。
空気中の低濃度のイオンが触れた程度では、皮膚や粘膜に定着している常在菌の生態系を破壊することはできません。