プラズマクラスターといえば、シャープが開発した空気清浄技術として、日本国内で知らない人はいないほどの知名度を誇ります。
マイナスイオンとプラスイオンを発生させて、浮遊するウイルスや菌を除去する効果があるとされています。
しかし、その知名度の高さゆえに、ネット上では長年にわたり「効果の真偽」について議論が交わされてきました。
結論から言えば、過去には確かに疑念を持たれた時期もありましたが、現在では世界的な権威ある研究機関によってその効果が科学的に実証されています。
本記事では、なぜ「効果なし」と言われるようになったのかという過去の経緯から、最新の科学的根拠(エビデンス)、そして意外と知られていない過去の実証データまで、その全容を徹底的に解説します。
プラズマクラスターの効果に関する研究結果の変遷
プラズマクラスターの効果を検証した研究は、数多く行われています。この技術の信頼性を語る上で避けて通れないのが、過去に起きた「ある発表」と、それを覆した「最新の実証実験」です。
- 2012年:効果への疑念が生まれた発表
- 2022年:科学的根拠が確立された決定的な実証
2012年の論争:効果は「オゾン」のおかげ?
時計の針を少し戻しましょう。プラズマクラスターの効果に対する疑念が生まれたきっかけの一つは、2012年の出来事です。
当時、第86回日本感染症学会総会において発表された研究が波紋を呼びました。
この研究では、プラズマクラスター空気清浄機を運転した部屋と、運転していない部屋で、空気中のウイルスの量を比較検証しました。その結果、確かに「ウイルスの量が有意に減少する」ことは確認されました。
しかし、その結論として以下のような指摘がなされたのです。
この発表は、2012年11月20日発行の感染症学雑誌 Vol.86 No.6に「殺菌性能を有する空中浮遊物質の放出を謳う各種電気製品」という題目で掲載されました。
これ以降、ネット上では「プラズマクラスターはただのオゾン発生器」「イオンに意味はない」といった極端な解釈が広まり、これが「効果なし」という検索キーワードが残る大きな要因となりました。
「オゾンが出るから危険」という噂の真相については、以下の記事で医学的な観点も含めて徹底検証しています。ペットや赤ちゃんへの影響が気になる方はご覧ください。

2022年の転換点:コロンビア大学による実証
しかし、科学の世界は常に進歩しています。2012年の疑念を払拭するような決定的なデータが、10年の時を経て発表されました。
2022年10月13日、米国コロンビア大学医学部の辻守哉教授(感染症学・免疫学)らによる検証結果が世界を驚かせました。
シャープ独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」を用い、当時猛威を振るっていたウイルスに対する効果を検証した結果、以下の事実が判明したのです。
浮遊する新型コロナウイルスオミクロン株の減少効果があることが実証された
これはメーカーの自称ではなく、第三者機関による厳格な実験データです。これにより、シャープが独自に開発したプラズマクラスターの性能や効果は、科学的根拠に基づく確かな技術として汚名返上を果たしたと言えます。
決定打となった検証試験の全貌
では、具体的にどのような試験が行われ、どれほどの効果が出たのでしょうか。この研究結果は、プラズマクラスターがウイルスを除去する効果があることを強く示唆しています。
試験の環境と条件
試験では、感染力の強い「オミクロンBA.1株」というウイルスが使用されました。
驚くべき実験結果
たった15分の照射で、以下のような劇的な差が生まれました。
💡感染力が99.3%減少し、ウイルスはほぼ死滅。
💡感染対象としていた細胞は、ほぼ正常な状態を保っていた。
この結果に対し、検証を行った辻教授は以下のようにコメントしています。
今回の試験では、ウイルスが漏れない安全キャビネットの中で、最大サイズの試験ボックスを使って確実な実験を行いました。その結果、明らかな減少効果が確認されました。
この検証により、プラズマクラスター技術は、今後ウイルスのエアロゾル感染対策として応用されることが期待されています。
ウイルスや細菌の除去効果詳細
プラズマクラスターが戦えるのは、特定のウイルスだけではありません。空気中の様々なウイルスや細菌を分解・除去する効果があるとされています。
シャープの社内実験および公的機関との共同研究では、これまでに以下のウイルスや細菌の除去効果が確認されています。
- インフルエンザウイルス
- ノロウイルス
- 肺炎球菌
- 黄色ブドウ球菌
- カビ菌
データ上では、プラズマクラスターによって空気中のウイルスや細菌の感染価を、約99%以上減少させることができるとされています。
なぜ除去できるのか? 3つのメカニズム
プラズマクラスターがウイルスや細菌を追い詰めるメカニズムは、以下の3つのステップで行われます。
プラズマクラスターによって生成されるOHラジカルは、非常に反応性の高い物質です。
このOHラジカルがウイルスや細菌の表面に付着すると、瞬時に相手のタンパク質から水素を抜き取ります。タンパク質を分解されたウイルスや細菌は活動できなくなり、不活化(死滅)します。
プラズマクラスターイオンは、電気を帯びています。
そのため、プラスとマイナスのイオンが、空気中を漂う微粒子やウイルスを取り囲み、静電気の作用で空気清浄機のフィルターへと強力に引き寄せやすくします。
プラズマクラスターイオンは、水分子と結合しやすい性質があります。
イオンに結合した水分子がウイルスや細菌をクラスター(房)のように包み込み、空気中での浮遊を妨げ、除去を促進します。
「イオン濃度」によってウイルスの除去スピードや効果は大きく変わります。7000・25000・NEXTのどれを選ぶべきか迷っている方は、以下の比較ガイドを参考にしてください。

花粉に対する除去効果とメカニズム
日本人の国民病とも言える「花粉症」。プラズマクラスターはこの花粉対策においても強力な武器となります。
シャープの社内実験では、以下の花粉に対する除去効果が確認されています。
- スギ花粉
- ヒノキ花粉
- ブタクサ花粉
実験環境下では、空気中の花粉濃度を約99%以上減少させることができるというデータも出ています。
花粉対策における「静電気抑制」の重要性
花粉対策において、プラズマクラスターが特に優れている点は、単に空気を吸い込むだけではないという点です。
プラズマクラスターには、静電気を抑える(除電する)効果があります。
花粉は静電気によって壁やカーテン、衣服に強く付着します。一度付着してしまうと、空気清浄機がいくらファンを回しても吸い込むことができません。
しかし、プラズマクラスターイオンが部屋の静電気を除去することで、以下のような相乗効果が生まれます。
また、前述したOHラジカルの作用は、花粉に対しても有効です。花粉の表面にあるタンパク質を分解し、アレルゲン物質そのものの作用を抑制する効果も期待されています。
アレルギー症状への改善期待
空気中のウイルスや細菌、花粉などのアレルギー原因物質(アレルゲン)を分解・除去することで、実際に体感できるメリットはあるのでしょうか?
シャープの社内実験やモニター調査では、プラズマクラスター空気清浄機を使用することで、以下のような症状緩和の声が上がっています。
これらは医学的な「治療」ではありませんが、生活環境(空気の質)を改善することで、結果的にアレルギー反応を引き起こすトリガーを減らせる可能性が高いことを示しています。
特に、OHラジカルにはダニのふん・死骸などのアレルゲン物質の作用を抑える効果や、カビの繁殖を抑制する効果もあるため、通年でアレルギー対策をしたい方にとって心強い味方となります。
信頼の証:プラズマクラスター技術の軌跡
最新の2022年の研究だけでなく、プラズマクラスター技術は長い時間をかけて検証が繰り返されてきました。ここで、過去に行われた重要な研究についても触れておきます。
2005年:東京大学との共同研究
プラズマクラスターが、空気中の浮遊菌やウイルスを99%以上除去できることを確認。
2013年:日本アレルギー学会との共同研究
プラズマクラスター技術が、アトピー性皮膚炎患者の住環境におけるダニ・カビ対策として有用であり、症状緩和に寄与する可能性を確認。
このように、単発の研究ではなく、10年、20年というスパンで様々な機関と共同研究を行っている点も、この技術の信頼性を支える大きな要素です。
プラズマクラスターによる日常の口コミ
科学的なデータだけでなく、実際に使っているユーザーはどのような効果を実感しているのでしょうか? アレルギー以外の視点も含めた、一般的な口コミを見てみましょう。
プラズマクラスターは、空気清浄だけでなく、消臭や除菌にも効果があるとされています。そのため、アレルギーや花粉症対策だけでなく、「快適な住環境作り」のために導入する人が非常に多いのが特徴です。
空気清浄機だけでなく、加湿器や扇風機、ドライヤーなど、さまざまな家電製品にも搭載されており、自分の生活スタイルに合わせて最適な製品を選ぶことができます。
プラズマクラスターの効果を疑う声への回答
ここまで科学的な根拠を解説してきましたが、それでもネット上には「効果を疑う声」が残っています。公平な視点から、それらの疑念についても触れておきましょう。
疑念1:科学的根拠が不十分ではないか?
疑念2:人体への副作用は? オゾンは危険?
プラズマクラスターの仕組み:基礎知識
最後に、そもそも「プラズマクラスター」とは何なのか、その技術的な仕組みを簡単におさらいしておきましょう。
プラズマクラスターとは、プラズマ放電によって生成されたイオンを空気中に放出する技術のことです。
- 空気清浄機の内部ユニットに高電圧をかける。
- 空気中の水分や酸素が電気分解され、プラズマ放電が起きる。
- プラスイオン(H⁺)とマイナスイオン(O₂⁻)が生成される。
- これらが水分子に包まれた状態で空気中に放出される。
この「水分子に包まれている」というのが重要で、これによりイオンが長寿命化し、部屋の隅々まで届くようになっています。
まとめ:プラズマクラスターの「今」
長年にわたる論争と研究を経て、現在のプラズマクラスターの評価は確立されつつあります。
- 2012年頃には効果の根拠について疑念の声もあった。しかし、2022年のコロンビア大学の研究により、科学的な信頼性が大きく向上した。
- 2005年や2013年など、過去にも有力な研究機関による実証データが存在する。
- ウイルス除去、花粉対策、静電気抑制には確かなメカニズムが存在する。
- 安全性についても基準を満たしており、副作用の心配はほぼない。
プラズマクラスターは、単なる「気休め」の道具ではありません。空気を清浄して健康的な環境をつくるのに効果的な技術として、今や家庭だけでなく、オフィス、学校、病院、そして鉄道車両など多くの公共施設でも導入されています。
密閉された空間である「車の中」では、プラズマクラスターがタバコ臭やカビ臭に絶大な効果を発揮します。車載用モデルの実力についてはこちらで解説しています。

もちろん、これを置けば病気が治るという魔法の機械ではありません。しかし、「リスクを減らし、快適な空間を作る」ための投資として、その価値は科学的に裏付けられています。
導入を迷っている方は、過去の古い情報ではなく、最新の検証結果に基づいた正しい知識で判断してみてください。
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