ある日、ふと耳の中がかゆくなり、耳かきでほじくり回すことに!
一旦はかゆみも取れ一安心。でもまた数分後にかゆみが!
最初はかゆみの間隔が長い、でもそのうち間隔が徐々に短くなってくる。
この症状をそのまま放っておいても治る気配はなし。
耳のかゆみを治す方法
耳のかゆみを治す方法は、かゆみの原因によって異なります。
・外耳炎
・耳垢
・アレルギー
外耳炎
外耳炎が原因の場合は、抗菌剤や抗真菌剤の点耳薬で治療します。また、耳垢が溜まっている場合は、耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらうことで、かゆみが軽減するこ・とがあります。
症状
外耳炎の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・耳がかゆい
・耳が痛い
・耳から膿が出る
・耳が閉塞感を感じる
・聴こえにくくなる
タイプ
外耳炎は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。
急性外耳炎の場合、突然発症し症状が急激に進行するタイプです。
慢性外耳炎の場合、症状が長引くタイプです。
原因
急性外耳炎は、耳かきやイヤホンなどの刺激によって外耳道の皮膚が傷つき、細菌や真菌が感染することで発症します。また、水泳や入浴で外耳道に水が入ったことで、外耳道がふやけて細菌や真菌が繁殖しやすくなり、発症することもあります。
慢性外耳炎は、繰り返し外耳炎を繰り返すことで、外耳道の皮膚がただれてしまうことで発症します。また、耳垢が溜まりすぎて、外耳道がふやけて細菌や真菌が繁殖しやすくなり、発症することもあります。
対策
外耳炎の治療は、原因によって異なります。
・細菌感染による外耳炎では、抗菌剤の点耳薬や内服薬で治療します。
・真菌感染による外耳炎では、抗真菌剤の点耳薬で治療します。
これらの治療薬は抗菌剤なので、医師の診断を受ける必要があります。
病院へ行く暇がない場合は、市販薬をおすすめします。
耳のかゆみ止めの市販薬
・メディクイックE(ロート製薬)
・ムヒER(池田模範堂)
下記に、詳細を解説します。
メディクイックE(ロート製薬)
メディクイックEの有効成分は、下記6つ。
・クロタミトン(かゆみ止め成分)
・l-メントール(清涼成分)
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(アンテドラッグステロイド※/抗炎症成分)
・グリチルレチン酸(抗炎症成分)
・イソプロピルメチルフェノール(殺菌成分)
・アラントイン(皮ふ修復成分)
※アンテドラッグステロイドは、患部でよく効き体内で分解する、治療効果と安全性の両立を目的として開発されたステロイドで、これらの成分が、耳などのかゆみ、皮ふ炎、かぶれ、虫さされなどの症状を緩和します。
クロタミトンは、かゆみ止め成分です。皮膚の神経を麻痺させて、かゆみの感覚を抑えます。
l-メントールは、清涼成分です。皮膚に清涼感を与えて、かゆみをすっきりとさせます。
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、抗炎症成分です。炎症を抑えることで、かゆみを緩和します。
グリチルレチン酸は、抗炎症成分です。炎症を抑えることで、かゆみを緩和します。
イソプロピルメチルフェノールは、殺菌成分です。細菌の増殖を抑えて、感染症の拡大を防ぎます。
アラントインは、皮ふ修復成分です。皮膚の再生を促進して、かゆみや炎症による皮膚のダメージを修復します。
メディクイックEは、10歳未満の子供には使用できません。また、顔や粘膜には使用しないでください。
ムヒER(池田模範堂)
ムヒERの有効成分は、下記2つ。
・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)(抗炎症成分)
・ℓ-メントール(清涼成分)
これらの成分が、耳などのかゆみ、皮ふ炎、かぶれ、虫さされなどの症状を緩和します。
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)は、抗炎症成分です。炎症を抑えることで、かゆみを緩和します。
ℓ-メントールは、清涼成分です。皮膚に清涼感を与えて、かゆみをすっきりとさせます。
ムヒERは、顔や粘膜には使用するとダメです。また、外耳炎の症状がある場合は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
メディクイックEとムヒERの違い
メディクイックEとムヒERの違いは、有効成分の違いです。メディクイックEには、抗炎症成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルに加えて、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノール、皮ふ修復成分のアラントインが含まれています。
ムヒERは、抗炎症成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルと清涼成分のℓ-メントールのみで構成されています。
そのため、メディクイックEは、かゆみだけでなく、炎症や感染症の症状にも効果的です。ムヒERは、かゆみや炎症の症状に効果的です。
ただし、市販薬は抗菌剤ではなく、抗炎症成分入りがほとんどなので、菌に対する効果はありませんが、かゆみの症状を柄さえてダ緩和させる作用はあります。
もし、これを使ってもかゆみの症状が治まらない場合は、病院へ行き医師の診断を受けることをおすすめします。
外耳炎の予防
・耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎない
・水泳や入浴の後は、外耳道を清潔に保つ
・耳垢が溜まりすぎないようにする
外耳炎は、放置すると症状が悪化し、難聴や耳介の腫れなどの合併症を起こすことがあります。耳の痛みやかゆみなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳垢
耳垢が原因の場合は、耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎないようにしましょう。耳垢は、耳の内部を清潔に保つ役割がありますが、耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎると、耳垢が奥に押し込まれてしまい、かゆみが悪化することがあります。
耳垢が溜まりすぎている場合は、耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎないようにしましょう。耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎると、耳内の粘膜がはがれ余計に悪化する可能性もあります。
治療
小さなお子さんの場合で耳垢が溜まりすぎている場合は、大事をとって耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらうことで、かゆみが軽減することがあります。耳鼻咽喉科では、耳垢を柔らかくして取り除く薬を点耳したり、耳かきや吸引器を使って耳垢を取り除いたりします。
また、耳垢が溜まりすぎないようにするために、以下のことに気をつけましょう。
対策 その1
・水泳や入浴の後は、外耳道を清潔に保つ
・耳をこすらないようにする
・耳垢が溜まりやすい場合は、耳鼻咽喉科で耳掃除を定期的に行う
耳垢でかゆくなる場合は、無理に掻かずに、上記の対処法で様子を見てください。かゆみがひどい場合や、症状が改善しない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
以下に、耳垢でかゆくなる場合の対処法をご紹介します。
対策 その2
・耳かきや綿棒で耳を掃除しすぎない
・水泳や入浴の後は、外耳道を清潔に保つ
・耳をこすらないようにする
耳垢が溜まりやすい場合は、耳鼻咽喉科で耳掃除を定期的に行う
また、以下のような市販薬やサプリメントを試すこともできます。
・耳垢を柔らかくする薬
・かゆみを抑える薬
・耳垢の生成を抑えるサプリメント
ただし、これらの薬やサプリメントは、あくまでも対症療法です。耳垢が溜まりすぎないようにするためには、上記の対処法を心がけましょう。
アレルギー
アレルギーが原因の場合は、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を内服することで、かゆみが軽減することがあります。また、耳の周囲の皮膚を保湿することで、かゆみが予防できます。
アレルギー反応とは、体内に侵入した異物(アレルゲン)に対して、免疫システムが過剰に反応する現象です。アレルゲンに対しては、IgEという抗体が作られます。IgEがアレルゲンと結合すると、肥満細胞からヒスタミンなどのかゆみ物質が放出されます。
ヒスタミンは、血管を拡張させて血流を増加させるとともに、神経を刺激してかゆみを引き起こします。そのため、アレルギー反応によってヒスタミンが放出されると、皮膚が赤くなったり、腫れたり、かゆくなったりするのです。
アレルギーでかゆくなる部位は、アレルゲンと接触した部位です。花粉症の場合は、鼻や目、喉がかゆくなります。アトピー性皮膚炎の場合は、全身に皮膚炎を起こすため、かゆみを感じる部位はさまざまです。
アレルギーによるかゆみは、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を内服することで軽減できます。また、保湿剤やかゆみ止めを塗ることでも、かゆみを抑えることができます。
予防
・アレルゲンを避ける
・抗アレルギー薬を服用する
・保湿を心がける
・生活習慣を整える
アレルギーによるかゆみは、放置すると皮膚炎や感染症などの合併症を引き起こすことがあります。かゆみを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
耳がかゆくなる原因は、大きく分けて以下の3つです。
耳垢の蓄積
外耳炎
アレルギー
耳垢の蓄積によるかゆみは、耳かきで耳垢を取り除くことで改善できます。外耳炎によるかゆみは、市販薬や病院での治療で改善できます。アレルギーによるかゆみは、原因となるアレルゲンから身を守ることで改善できます。
耳がかゆくなったときは、まず耳垢の蓄積が原因かどうかをチェックしましょう。耳垢が大量に溜まっている場合は、耳かきや綿棒で取り除いてください。ただし、耳垢を奥まで押し込んでしまうと、外耳炎の原因になるため、注意が必要です。
耳垢の蓄積が原因ではない場合は、外耳炎やアレルギーの可能性を疑いましょう。外耳炎の症状には、耳の痛みや耳だれ、耳の閉塞感、耳のかゆみなどがあります。アレルギーの症状には、耳のかゆみ以外にも、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどがあります。
外耳炎やアレルギーが疑われる場合は、市販薬や病院での治療を検討しましょう。市販薬には、かゆみを抑える成分や炎症を抑える成分が配合されているものがあります。病院では、抗菌薬やステロイド薬などの処方を受けることができます。
また、耳がかゆくなったときには、以下の方法でかゆみを緩和することができます。
・冷たいタオルを耳に当てる
・市販のかゆみ止めを塗る
・耳栓をして外からの刺激を抑える
これらの方法でかゆみが改善しない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
具体的な解決方法
・耳垢の蓄積によるかゆみ
・耳かきや綿棒で耳垢を取り除く
・耳鼻科で耳垢を除去してもらう
・外耳炎によるかゆみ
・市販の外耳炎薬を使用する
・耳鼻科で抗菌薬やステロイド薬を処方してもらう
・アレルギーによるかゆみ
・原因となるアレルゲンから身を守る
・抗アレルギー薬を服用する
手ごろな方法でかゆみを退治するコツ
・耳垢の蓄積を防ぐために、耳かきは週に1〜2回程度に抑える
・耳かきをするときは、耳の奥まで入れないように注意する
・耳垢が溜まっている場合は、耳鼻科で除去してもらう
・かゆみ止めは、適量を適切な場所に塗る
・耳栓は、耳の穴を完全に塞がないものを利用する
耳がかゆいときは、原因を正しく理解して、適切な方法でかゆみを退治しましょう。