エアコン選びは、夏の猛暑や冬の厳しい寒さを快適に乗り切るために欠かせない重要な決断となります。
しかし、どのエアコンが自分の部屋に最適なのかを判断するのは意外と難しいもの。
特に、「畳数」という言葉が頻繁に登場し、何を基準に選べば良いのか悩む方も多いでしょう。
この記事では、畳数を基準にしたエアコンの選び方について詳しく解説し、あなたが理想的な一台を見つけるお手伝いをします。
これからエアコンを購入する方、買い替えを検討している方必見の内容となっています。エアコン選びで失敗しないためのポイントを押さえ、賢い選択をして快適な生活を手に入れましょう。
エアコン選びのポイント
まずは、エアコンの畳数に対する基本的な選び方から解説していきます。
適切な畳数の目安について
まず、エアコン選びの際に「8畳用」や「12畳用」といった表記について考えてみましょう。
エアコンを購入する際、最初に「何畳用ですか?」と尋ねられることが多いです。
この質問は、エアコンの性能を最大限に活かし、効率的に使用するために部屋の大きさに合ったものを選ぶ必要があるためです。
店頭表示やカタログにも、木造や鉄筋の場合の畳数の目安が記載されています。
古い基準による畳数表記
実は、この畳数表記の基準は1964年に制定されたもので、一部の表記方法が2013年に改正されたものの、基本的な基準は変わっていません。
そのため、現代の断熱性能が高い住宅では、畳数に基づいてエアコンを選ぶとオーバースペックになることがあります。
とはいえ、断熱性能が高いからといって、例えば20畳の部屋に6畳用のエアコンが適しているわけでもありません。
目安としての畳数
畳数表記はあくまでも目安であり、日当たりや料理の頻度、人数、最上階かどうかなど、部屋の広さ以外の要素も考慮する必要があります。
家電量販店では、実際の畳数よりも大きめのエアコンを勧められることが多いです。
大きめのエアコンを勧められる理由は、販売単価の向上を図るためだけでなく、効きが悪い場合のクレーム防止や顧客への迷惑を避けるためでもあります。
中には、顧客が希望する畳数よりも小さいエアコンを勧めない方針の店もあります。
新築の注文住宅の場合は、設計士や建築業者に相談すると、断熱性能に合ったエアコンの適切な畳数を教えてもらえるかもしれませんが、そういった機会は滅多にないでしょう。
最大能力値に注目
畳数表記以外で参考になるのは、冷房・暖房の最大能力値です。この数値がエアコンの性能を示します。
エアコンの暖房の強さは3段階
ほとんどのエアコンは、強さが3段階しかありません。そのため、8畳用や12畳用のエアコンは必要ないことが多いのです。
もちろん、一部のモデルには畳数の種類が10種類以上あるものもありますが、その場合でも見るべきポイントは同じです。
例えば、あるメーカーのカタログを見てみると、6畳用と8畳用の暖房能力は、最大値はほぼ同じであることがわかります。
つまり、同じ能力で部屋を暖める場合、8畳の方が最大値で運転する時間が長くなるため、電気代がかかることになります。
エアコンの冷房の強さも3段階
冷房能力についても同様で、大きな数字は違っても最小値と最大値はほぼ同じです。
多くのエアコンは、製品の型番に冷房能力の数値が入っており、ソフトウェアでリミッターをかけて冷房能力に差を出しているようです。
つまり、このモデルでは6畳用と8畳用はほぼ同じ能力でありながら、カタログ価格で4万円も値段が違うのです。
3つのモデルの暖房能力と消費電力を比較
モデル比較:10畳用・12畳用・14畳用
10畳用と12畳用のエアコンの暖房能力と消費電力を比較すると、最小値も最大値も全く同じです。
冷房能力も最小値は同じで、最大値がわずかに異なるだけです。
具体的には、4.1kWと4.2kWの違いです。しかし、14畳用の最大値は5.5kWであるため、その差は明確です。
一般的に、エアコンは14畳以上になると電源が200Vになります。
電圧が上がることで最大消費電力も増加しますが、省エネ性能も向上するため、期間消費電力は14畳用の方が少なくなります。
要するに、12畳用の100Vよりも14畳用の200Vの方が、冷房能力や暖房能力が高く、部屋を早く冷やしたり暖めたりできる上に、電気代もトータルで安くなります。
また、能力に余裕のない運転は機械の寿命を縮めるため、余裕のあるエアコンを選ぶ方が理にかなっています。
3つのモデルの価格差を比較
価格差が同じ3万円であるならば、12畳用を選ぶ理由はあまりないかもしれません。
実際には、10畳用と12畳用はほぼ同じ製品であるため、価格が下がりやすい傾向にあります。それでも、能力はほぼ同じです。
なお、100Vから200Vへの電圧変更は、ブレーカーが対応していればエアコン工事と同時に1万円前後で可能です。
対応しているかどうか不明な場合は、ブレーカーの写真を撮ってお店で確認してもらいましょう。
14畳用でも100Vのものや、10畳用や12畳用でも200Vのものがある場合もありますが、この場合も重要なのは能力の最大値です。
エアコンを購入する際には、型番が違うだけで高額な製品を選ばないように注意しましょう。
エアコンの買い時
内閣府の2021年の調査によれば、エアコンの平均使用年数は13.2年です。
新しいエアコンを購入する際には、お得なタイミングで買い替えたいものです。
エアコンの買い時は、モデルの発売時期によって年に2回あります。
上位モデルであれば、エアコンの繁忙期が終わる8月末以降、スタンダードモデルであれば、年末から1月以降が買い時です。ただし、在庫状況は年によって異なります。
2023年4月の時点では、2022年モデルの在庫がまだ多く残っているとのことです。
4月10日は試運転の日ですので、暑くなる前に試運転をしてみましょう。
10年以上使用したエアコンで調子が悪い場合は、買い替えを検討するのがおすすめです。
三菱電機のアンケートでは、夏場にエアコンが故障して困った経験がある人は27.2%にのぼります。
アコンの相談件数は6月から8月にかけて多く、7月は4月の約2.6倍にもなります。繁忙期にエアコンを買い替えるのは避け、早めに家電量販店に足を運びましょう。
まとめ
エアコン選びは、夏の猛暑や冬の厳しい寒さを快適に乗り切るために欠かせない重要な決断です。しかし、どのエアコンが自分の部屋に最適なのかを判断するのは意外と難しいものです。
特に、「畳数」という言葉が頻繁に登場し、何を基準に選べば良いのか悩む方も多いでしょう。
エアコン選びの際には、畳数表記だけでなく、冷房・暖房の最大能力値にも注目することが重要です。
また、畳数表記の基準は古く、現代の断熱性能が高い住宅ではオーバースペックになることがあるため、日当たりや部屋の使用状況なども考慮する必要があります。
さらに、エアコンの買い時はモデルの発売時期によって年に2回あり、上位モデルは8月末以降、スタンダードモデルは年末から1月以降が狙い目です。
これらのポイントを押さえ、賢い選択をして快適な生活を手に入れてみてくださいね。