音がする」といった不安な言葉を目にすることがあります。
特に、近年のモデルチェンジで行われた「乾燥方式の変更（ヒートリサイクル方式の廃止）」は、ユーザーの間で大きな議論を呼びました。
この記事では、日立の洗濯機が本当に壊れやすいのかという疑問に答えつつ、乾燥方式の変更が電気代に与える具体的な影響や、独自の強みである「ナイアガラ洗浄」「風アイロン」の実力について徹底解説します。
壊れにくい洗濯機のメーカー選びや、他社との比較をより詳しく知りたい方は、以下の親記事も合わせてご覧ください。
日立の洗濯機は本当に「壊れやすい」のか？
結論から言えば、日立の洗濯機自体が他社に比べて「致命的に壊れやすい」という統計的な事実はありません。むしろ、心臓部であるモーター技術に関しては世界屈指のレベルを維持しています。
では、なぜ「壊れやすい」という口コミが散見されるのでしょうか。
「モーターの日立」の信頼性は健在
日立は創業以来、モーター技術に絶対の自信を持っています。洗濯槽を回転させる駆動力や制御技術は非常に高く、基本的な「洗う・回る」という動作においての耐久性は非常に高い水準です。
しかし、近年のドラム式洗濯機は家電というより「精密機器」に近くなっています。
故障と言われる症状の多くは、モーターそのものではなく、ドアロックの不具合や排水弁の詰まり、センサーのエラー表示など、周辺部品のトラブルが大半を占めています。
ヒートリサイクル廃止の衝撃と電気代への影響
日立のドラム式洗濯機を語る上で避けて通れないのが、「ヒートリサイクル方式の廃止」と、それに伴う乾燥方式の変更です。
かつて日立は、運転中のモーターから出る排熱を再利用して乾燥させる「ヒートリサイクル風アイロン」を最大の売りにしていました。これは省エネ性能に優れた画期的な技術でした。
しかし、最新のモデル（一部の上位機種を除く）では、この方式を廃止し、ヒーター乾燥やヒートポンプ、あるいは水冷除湿方式へと舵を切っています。
なぜヒートリサイクルをやめたのか？
日立はメンテナンス性と清潔さを優先し、あえて省エネの象徴だったヒートリサイクルを手放したと言えます。
電気代は高くなった？シミュレーション比較
ここがユーザーにとって最も気になるポイントです。ヒートリサイクル廃止により、電気代はどう変化したのでしょうか。
一般的な洗濯乾燥（6kg）1回あたりのコストを概算シミュレーションしてみます。
新型（ヒーター乾燥・水冷除湿など） 約35円〜50円 ※しっかりとヒーターで温めるため消費電力が増加 ※最新のヒートポンプ搭載機を除く
「電気代は確実に上がった」と言わざるを得ません。毎日乾燥機能を使う家庭であれば、月額で数百円〜千円程度の差が出る可能性があります。
しかし、その対価として得られたものがあります。それは「本体内部の清潔さ」と「排水トラブルの減少」です。
「ナイアガラ洗浄」と「風アイロン」の実力
日立を選ぶ最大の理由は、他社を圧倒する「洗浄力」と「仕上がり」にあります。多少電気代がかかっても日立が選ばれる理由を深堀りします。
際立つ白さ「ナイアガラ洗浄」
「ナイアガラ洗浄」は、大流量のシャワーで洗剤液を衣類に浸透させ、押し洗い・たたき洗い・もみ洗いを組み合わせる洗浄方式です。
泥汚れや皮脂汚れに対する強さは業界トップクラスと言われています。
パナソニックの「温水泡洗浄」も強力ですが、大流量の水で豪快に洗い流す日立のスタイルは、頑固な汚れが多い家庭にとって非常に頼もしい存在です。
アイロンがけ不要？「風アイロン」
日立の代名詞とも言える機能が「風アイロン」です。
時速約300kmという高速風を吹きかけながら乾燥させることで、衣類のシワを物理的に伸ばします。ドラム式洗濯機の乾燥機能において、「シワの伸び具合で日立の右に出るものはいない」と断言できるレベルです。
ヒートポンプ乾燥（低温）を採用する他社製品は、衣類の縮みは少ないものの、シワが残りやすい傾向があります。一方、日立はしっかりと熱と風を使うため、パリッと綺麗に仕上がります。
あえて旧型（ヒートリサイクル）を選ぶのはあり？
市場にはまだ、ヒートリサイクル方式を採用した旧型番の在庫や中古品が出回っています。電気代の安さに惹かれて旧型を選ぶのは「あり」なのでしょうか？
新型（現行機）を選ぶべき人 ・電気代よりメンテナンスの手軽さを優先したい ・下水の臭い戻りなどのリスクを避けたい ・最新のスマホ連携やAI機能を使いたい
旧型は「メンテナンスをサボると乾燥機能が低下しやすい」というリスクがあります。長く快適に使いたいのであれば、構造が見直された新型、あるいは最新のヒートポンプ搭載モデル（「らくメンテ」搭載機種など）を選ぶのが賢明な選択と言えます。
まとめ：日立は「洗浄力と仕上がり」を求める人への最適解
日立の洗濯機は、乾燥方式の変更により電気代の面では他社（特にヒートポンプ勢）に劣る部分が出てきました。
しかし、それを補って余りあるのが「圧倒的な洗浄力」と「シワのない乾燥仕上がり」です。
「壊れやすい」という噂の裏には、高性能ゆえの繊細さや、過去の乾燥方式によるメンテナンスの難しさがありました。しかし、現在のモデルはそれらの課題を克服しつつあります。
家事の時短と、衣類の仕上がりの良さを最優先にするなら、日立の洗濯機は間違いなく有力な候補となるでしょう。
洗濯機メーカーごとの寿命や、壊れにくい製品の選び方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
