多様なキャッシュレス決済と楽天経済圏の活用方法
多くの方がキャッシュレス決済を利用しており、特に楽天経済圏を活用している人は、楽天カード、楽天キャッシュ、楽天ペイ、楽天ポイントなどを頻繁に利用しています。
最近では、楽天証券でつみたてNISAを行う際に、楽天カードと楽天キャッシュを併用する人も増えています。しかし、複数の決済サービスを利用すると、それぞれの使用状況を把握するのが難しくなります。
私も、ポイント還元率を上げるために楽天カードで楽天キャッシュにチャージし、それを楽天ペイで利用していたため、支払い状況の把握に苦労していました。
そこで、今回は楽天の各種支払い方法の履歴確認方法を解説します。
各項目の違い
最初に、楽天カード(クレジット)払い、楽天キャッシュ、楽天ペイ、楽天ポイントの各々がどういったものかを説明します。
※ここで記載するポイント還元率は2024年6月時点のものです(6月4日からの変更を反映)。
また、還元率は利用先によって変動することがあり、ここに記載するのは基本的な還元率です(例:楽天ペイを通じた楽天カード決済は通常1%還元ですが、Suicaへのチャージの場合は0.5%還元になるなど)。
楽天カード(クレジット)払いとは
これは最も一般的なクレジット払いで、楽天が発行する「楽天カード」を使用し、カードと紐づけた銀行口座から後払い(1か月分の支払いを翌月27日頃に引き落とす)する方法です。
スマートフォンにクレジットカードを登録して決済する「クイックペイ」もこのクレジット払いに含まれます。
また、楽天カードで支払うことで、通常100円の利用につき楽天ポイントが1ポイント貯まります。
※楽天ポイントの還元率は利用先によって異なりますが、通常の買い物(スーパー、コンビニなど)では基本的に100円につき1ポイントと考えて良いでしょう。
楽天キャッシュ
楽天キャッシュは、楽天が提供するオンライン電子マネーです。
楽天のオンラインサービス(楽天市場、楽天トラベルなど)での決済に利用でき、特に楽天ペイの支払い元としてよく使われます。
楽天ペイ自体は決済を仲介するアプリなので、「楽天ペイで支払う」というよりは「楽天ペイを通じて楽天キャッシュで支払う」と表現する方が適切です。
楽天ペイ
楽天ペイは、PayPayなどと同様のスマホ決済サービスです。
楽天ペイは、各種引き落とし先(クレジットカードや銀行口座など)とお店との仲介を担います。主な引き落とし先には、「銀行口座」「クレジットカード」「楽天キャッシュ」「楽天ポイント」の4つがあります。
楽天ペイの特長はポイント還元にあります。
単純に楽天カードでクレジット決済をすると100円につき1ポイントしか付与されませんが、楽天カード→楽天キャッシュ→楽天ペイという手順を踏むだけでポイント還元が1.5%になります(楽天カードから楽天キャッシュへのチャージで0.5%、楽天キャッシュを利用した楽天ペイ決済で1.0%)。
※2024年6月4日からは楽天キャッシュを利用して楽天ペイ決済をするだけでポイント還元が1.5%となります。その代わりに楽天カードによる楽天キャッシュチャージへのポイント還元はなくなりました。
ただし、楽天キャッシュへのチャージは楽天カードで行うのが最も簡単なため、実質的には楽天カード→楽天キャッシュ→楽天ペイという流れは変わらず、ポイント還元率も1.5%のままです。
このような理由から、私もこれらのサービスを組み合わせて決済を行っていますが、利用状況が複雑になるため、今回その内容をまとめることにしました。
楽天ポイント
楽天ポイントは、楽天のサービスや提携店舗(例:ファミマ)を利用することで貯まり、1ポイント=1円として多くのサービスや店舗で使用できるものです。
楽天カード、楽天キャッシュ、楽天ペイを利用していると自然に貯まるため、多くの人が何となく使用していると思います。
履歴を確認する方法
では、さまざまな決済方法による利用履歴の確認手順を説明します。
楽天カードの確認方法
まずは、楽天カードの支払い履歴、つまりクレジット利用履歴の確認方法についてです。クレジットの利用明細を確認することで履歴がわかります。
利用明細は「アプリ」と「Web」の2つの方法で確認できます。手軽に確認したい場合はアプリ、パソコンなど複数の端末から確認したい場合はWebを利用するのがおすすめです。
利用明細に記載されるものは以下の通りです。
・楽天キャッシュへのクレジットチャージ
・クレジットを引き落とし先とした楽天ペイ支払い
アプリの履歴を確認する方法
クレジット利用明細を確認するためには、「楽天カード」アプリを使用します。
楽天カードアプリを開いたら、下部メニューバーの「ご利用明細」を選択します。すると、クレジットの支払い履歴が表示されます。
利用明細には、「支払先」「利用日」「支払金額」が表示されます。
※利用日は店舗の売上処理方法や処理日の関係で実際の利用日と異なる場合があります。
先ほども説明しましたが、明細には以下のような利用履歴が表示されます。
・楽天キャッシュに楽天カードでチャージした分
・タイムズカーで楽天カードを利用した分
・業務スーパーでクイックペイ(楽天カードを登録)で支払った分
・楽天ペイを通して楽天カードでスイカにチャージした分
Webで確認する方法
パソコンやタブレットからWeb上でクレジット利用明細を確認することも可能です。「楽天e-NAVI」というサービスを利用します。楽天カードを持っている多くの人は既に登録していると思いますが、まだの方は楽天カードと楽天IDでe-NAVIに登録してください。
確認方法は以下の通りです。
2、メニューバーの「お支払い(ご利用明細)」を選択し、その中の「ご利用明細」をクリックします。
3、各月の利用明細が表示されるので、確認したい月を選びます。
楽天キャッシュ
次に、楽天キャッシュの支払い履歴の確認方法について説明します。
楽天キャッシュの履歴確認は少し複雑です。なぜなら、楽天キャッシュの支払い履歴のみを表示する専用のサービスがないからです。
現時点では楽天PointClubというサービスを利用してキャッシュの履歴を確認できますが、このサービスは本来楽天ポイントを管理するものであり、楽天キャッシュの履歴も一緒に表示される仕組みになっています。
つまり、楽天キャッシュと楽天ポイントが同じように扱われています。
また、楽天ペイアプリでは「楽天キャッシュご利用履歴」を確認できますが、ここには楽天カードや楽天銀行、セブン銀行ATMからの「チャージ」「送付」「受取」などの履歴しか記載されず、具体的な支払い履歴は表示されません。
「楽天キャッシュご利用履歴」では、チャージの履歴のみが表示され、支払い履歴は見られません。
まとめると、楽天キャッシュの使用履歴を確認するには、「楽天PointClub」(アプリおよびWebサービス)の「ポイント実績」欄を確認します。
そこには、楽天キャッシュと楽天ポイントの獲得・支払い履歴がまとめて表示されるため、その中から楽天キャッシュの支払い履歴を確認できます。
楽天キャッシュの履歴がポイント実績からしか見られないとは予想外で、私も確認に苦労しました。
アプリで確認する方法
まず、楽天PointClubアプリをインストールします。
次に、楽天PointClubアプリに楽天IDでログインし、トップ画面の左上にあるメニューバーを開きます。
そこから「ポイント実績」を選択すると、楽天キャッシュと楽天ポイントのチャージ・獲得・支払い履歴を月ごとに確認できます。
ただし、表示される履歴は「○○ポイント利用」と表示されるため、楽天ポイントで支払ったように見えることがあります。
例えば、セブンイレブンで257円の買い物を楽天キャッシュで支払っても「257ポイント利用」と表示されます。
しかし、各明細を詳細に見ると、その内訳が表示され、257円全てが楽天キャッシュで支払われたことが確認できます。
明細を詳細に確認しないとキャッシュ利用かポイント利用かが分からないのは不便ですが、次に説明する「Webでの確認」を利用すれば、キャッシュとポイントの内訳を一目で確認できます。
2、メニュー内のポイント実績を開く
3、キャッシュ支払いもポイント支払いも同じように表示
4、詳細を見るとキャッシュで支払ったことが分かる
Webで確認する方法
楽天PointClubにはWebからログインすることもでき、パソコンやタブレットなど様々な端末から楽天キャッシュの利用履歴を確認できます。
手順としては、楽天PointClubにログインし、トップメニューの「ポイント実績」をクリックするだけです。Web上でもアプリ同様に楽天キャッシュと楽天ポイントのチャージ・獲得・支払い履歴を確認できますが、アプリとは違い、各明細でキャッシュとポイントのどちらが使用されたかを一目で確認できます(下の画像の赤丸部分のように)。
1、楽天PointClub(https://point.rakuten.co.jp/)にログインし、トップページの「ポイント実績」をクリック
2、利用明細には楽天キャッシュと楽天ポイントの利用履歴が表示され、備考欄でキャッシュとポイントの内訳が確認できます。※備考欄に特に記載がない場合はポイント利用です。
楽天ペイ
楽天ペイの支払い履歴を確認するには、楽天ペイアプリを使用して「楽天ペイお支払い履歴」を見る必要があります。
Web上で確認することはできません。楽天ペイはスマートフォンのQRコード決済アプリであるため、アプリ内でのみ確認できるのは当然のことです。
利用履歴には、楽天ペイを介して行われたすべての支払いが記載されます。
楽天ペイの引き落とし先が楽天カード、楽天キャッシュ、その他何であっても、楽天ペイを使用した支払いであれば履歴に記載されます。
そのため、一つの支払いが「引き落とし先の支払い履歴」と「楽天ペイの利用履歴」の両方に記載されることがあり、二重に支払ったと勘違いしないように注意が必要です。
※(例:楽天ペイの引き落とし先を楽天カードに設定した場合、100円の支払いが楽天ペイの利用履歴と楽天カードの利用明細の両方に100円と記載されます)
アプリで確認する方法
楽天ペイアプリを起動します。
トップ画面左上のメニューバーを開き、「楽天ペイお支払い履歴」を選択します。各月ごとの支払い履歴が表示されます。
各明細をタップすると詳細が表示され、どの引き落とし先(楽天銀行、クレジットカード、楽天キャッシュ、楽天ポイント)で支払いを行ったか確認できます。
例として、セブンイレブンでの買い物を楽天キャッシュで支払った場合、「楽天キャッシュ」と表示されます。クレジットカードを引き落とし先に設定していた場合は「カード」と表示されます。
楽天ポイント
楽天ポイントの利用履歴を確認する方法としては、楽天キャッシュの時と同様に「楽天PointClub」のポイント実績を見ます。サービスの名前からも分かるように、楽天ポイントの利用履歴を確認するための機能が備わっています。
アプリで確認する方法
楽天PointClubアプリをインストールします。
Download on the App Store
Google Play で手に入れよう
楽天PointClubに楽天IDでログインし、トップ画面左上のメニューバーを開きます。「ポイント実績」を選択すると、楽天ポイントの獲得・支払い履歴が月ごとに表示されます。
楽天PointClubには楽天キャッシュのチャージ・支払い履歴も表示されるため、楽天キャッシュでの支払いも「○○ポイント利用」として表示されます。
例えば、ダイソーで110円の買い物を楽天キャッシュで支払った場合、「110ポイント利用」と表示され、ミスドで楽天ポイントで支払った場合と同じように見えます。
しかし、明細をタップして開くと、詳細が表示され、どの支払い方法が使われたか確認できます。
Webで確認する方法
楽天PointClubにはWebからログインすることもでき、パソコンやタブレットなどから楽天ポイントの利用履歴を確認できます。手順は以下の通りです。
楽天PointClubにログインします。
トップメニューの「ポイント実績」をクリックします。
楽天ポイントと楽天キャッシュのチャージ・獲得・支払い履歴が確認できます。Webでは各明細でポイントとキャッシュのどちらが使われているかが一目でわかります(楽天キャッシュ利用の際は青い■で表示され、それがない場合はポイント支払いのみとなります)。
楽天PointClub(https://point.rakuten.co.jp/)にログインし、トップページの「ポイント実績」をクリック
備考に特に記載がない場合は楽天ポイント支払い。楽天キャッシュが使われた場合は備考にその旨が記載されています。
このようにして、楽天ペイや楽天ポイントの利用履歴を確認できます。それぞれの方法を活用して、正確に履歴を把握しましょう。
2,3重支払いの見え方に要注意点
楽天の各種サービスでの支払いを確認する際に注意すべき点は、「複数の決済方法を使用すると、2重や3重に支払っているように見える」ことです。
これは、各支払い確認画面には実際のお店での支払いだけでなく、次の決済サービスに引き継いだ(チャージや送金した)分も記載されるためです。そのため、1つの支払いに対して複数の履歴が表示される場合があります。
例えば、楽天カードで楽天キャッシュにチャージし、その分を楽天ペイで決済に利用した場合、支払い自体は1回ですが、楽天カード、楽天キャッシュ、楽天ペイそれぞれに履歴が残ることになります。
これは一見すると重複して支払っているように見えるかもしれませんが、実際には支払いは1回だけです。以下に具体例を示します。
具体例:ファミリーマートでの5,800円の買い物
1、楽天キャッシュの残高がなかったため、楽天カードで楽天キャッシュに5,800円をチャージ。
2、レジで5,800円を楽天ペイで支払い。この際の支払元は楽天キャッシュを選択。
この場合の決済履歴は次のようになります。
楽天キャッシュへのチャージとして5,800円の利用履歴
・楽天キャッシュ
ファミリーマートへの支払いとして楽天キャッシュ5,800円を利用(楽天ペイ経由)
・楽天ペイ
ファミリーマートへの支払いとして楽天キャッシュ5,800円を利用。
このように、1回の買い物があたかも3回の支払いのように見えることがあります。
楽天ペイは決済の仲介を行うサービスであり、楽天ペイ自体で支払っているわけではありませんが、利用履歴としては楽天ペイを通じた支払いが記載されます。
これが重複支払いと誤解しやすい点です。
各アプリでの確認方法
・楽天PointClub:「ポイント実績」で楽天キャッシュの支払い履歴を確認。
・楽天ペイアプリ:「楽天ペイお支払い履歴」で楽天ペイの支払い履歴を確認。
複数の決済方法を組み合わせて利用することで、ポイント還元率を高めることができます(例:楽天カードで楽天キャッシュにチャージして0.5%、楽天ペイを通じた楽天キャッシュ支払いで1.0%、合計で1.5%の還元)。
ただし、この方法では利用履歴が重複して表示されることがあります。しかし、実際には重複して支払っているわけではないので、安心してください。
もし気になる場合は、履歴を詳細にチェックして確認しましょう。
まとめ
様々な支払い方法とその履歴確認方法について、楽天カード、楽天キャッシュ、楽天ペイ、楽天ポイントのそれぞれの履歴確認手順を説明しました。
楽天のサービスはうまく活用することで、ポイント還元を最大化することができますので、収支の管理をしっかり行いましょう。