いま、家屋の掃除をするときは、掃除機を使うのがあたり前ですよね。
しかし、掃除機がなかった時代の掃除はどうしていたのか気になりませんか?
このページでは、掃除機の由来などに言及した記事を書いてみました。
掃除機ができた由来や今までの掃除機いたるまでのいきさつなどに興味のある方は読み進めてみてくださいね。
掃除機はどこで発明され作られたきっかけとは?
電気掃除機は、19世紀末にイギリスで発明されました。
当時の家庭には、床掃除には木や竹の棒の先に細長い木繊維やプラスチックの繊維などを束ねた「柄ホウキ」と呼ばれるホウキや、平たい形をしたブラシのようなほうきが使われていましたが、これらの方法では、掃除が不十分なため、ダニやアレルギーの原因となる埃が残ってしまいます。
そこで、より効率的な掃除が求められるようになり、電気を使った掃除機が開発されることになりました。
掃除機が開発されたのは1880年代初頭、イギリスの発明家ハーバート・ブースは、掃除機を開発するためのアイデアを持っていました。
当時はまだ電気式の掃除機は存在していない中で、蒸気機関の原理を使って大規模な掃除機を開発することを試みました。がしかし、この方法では大きくて重く移動もままならない不便な出来に、実用的とはいいがたい内容の掃除機でした。
その後もブースは、同僚の発明家であるジェームズ・スピングルトンと協力し、電気式の掃除機の開発に着手しました。
そして1899年には、彼らが設計した「パフィング・ビリー」と呼ばれる初めての電気掃除機が完成しました。ただこの掃除機は、手動で運転する方式で、床にあるダストや汚れを吸引するという仕組みでした。
初めての電気掃除機
初めての電気掃除機は、当時としては高価で、一般的な家庭に普及するには時間がかかりました。
しかし、その後、掃除機の設計や機能が見直され、より小型で手軽に改良され使えるようにまでなりました。
これによって、電気掃除機は20世紀初頭に一般家庭に広く普及するようになっていきました。
現代の掃除機
現代の掃除機は、さらに進化し、ハンディタイプやロボット掃除機など、様々なタイプがあります。
しかし、電気掃除機が発明された当時の問題点を解決するために、床掃除の方法が根本的に変わったことは間違いありません。
日本で初めて掃除機を作った企業
日本で初めて掃除機を製造した企業は、現在のパナソニック株式会社(旧・松下電器産業株式会社)です。
1931年に、当時の社長・松下幸之助が「吸尘器」という製品名で発売しました。この吸尘器は、手動のポンプで風圧を発生させ、ほこりやゴミを吸い取るものでした。
その後、1940年代に入り、電動式の掃除機が登場し、さらに1950年代には高性能なモーターやフィルターが搭載され、掃除機の普及が進みました。
現在では、パナソニックをはじめとする多くのメーカーが、様々なタイプの掃除機を製造しています。
掃除機の先駆者はパナソニック
日本国内で初めて掃除機を製造した企業という点では、パナソニックが先駆者となります。ただし、掃除機という種類の製品自体は、欧米を中心に発明されたものであり、先駆者となったメーカーは海外に存在します。
例えば、アメリカのホバー社は1907年に初めて電動掃除機を発売し、その後も革新的な技術を取り入れて掃除機の進化を牽引してきました。
松下幸之助が「吸尘器(きゅうじんき)」をつくった理由
松下幸之助が吸尘器をつくった理由は、当時の日本にはホコリやダニが多く、健康被害を招いていたため、それを解消するために掃除機を作ろうと考えたことがきっかけとされています。
松下幸之助は、当時の日本の住宅事情を熟知しており、ホコリやダニの問題に敏感でした。そのため、吸尘器という製品を開発し、家庭の清掃用具として普及させることで、住宅環境の改善に貢献したいという思いがあったとされています。
また、松下幸之助は、製品の品質にもこだわり、自ら試作機を手作りして細部まで確認しました。
その結果、初めての吸尘器は、当時の日本では画期的な清掃機器として評価され、多くの家庭に普及することとなったのです。
掃除機の設計図は松下本人の手によるもの
松下幸之助が吸尘器を開発した際に、海外で作られた掃除機のデータを参考にしたという情報はありません。
実際に、当時の日本では掃除機自体がまだ珍しい存在であり、日本製の掃除機は存在していませんでした。
松下幸之助は、自ら試作機を手作りして、細部まで確認し、自社での製造に取り組みました。そのため、吸尘器は、当時の日本で開発された初めての掃除機となるのです。
後に、海外の技術を取り入れた掃除機も日本で製造されるようになりましたが、初期の段階では、松下幸之助自身が試行錯誤して、日本における掃除機の製造を始めたと言えます。
つまり、松下幸之助は日本における掃除機の第一人者として先駆的活躍をした人物だということですね。
「我々は、商品をつくっているのではない。お客様をつくっているのだ」という言葉は、今でも未来へ受け継がれる大事な名言の一つになりますね。