この世の中の目に見える物体は、すべて可視光といわれる光の存在があるから見えるのです。
もし可視光が存在していなかったら、物が見えない世界になってしまう可能性もあるかもね。
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可視光とは
可視光とは、人間の目が見ることができる電磁波の一種。
可視光を説明するには、波長から説明するほうが早いということで波長の存在から説明しよう。
波長ってなに?
波長とは、波の一つの特性で連続する波の山と谷の間の距離を表す。
一般的には、波の振動が1周期分進んだ場合の距離を波長として表記。また波の種類によっては波長は異なり、例えば電磁波においての波長は、長い順に「ラジオ波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線」となる。
また、波長は通常「メートル(m)単位」で表されているけど、「ナノメートル(nm)、マイクロメートル(μm)、ピコメートル(pm)」などのより小さい単位でも表される。
波長は、光の色やエネルギー、さらには伝播速度などに影響を与える重要な物理量でもあり、様々な分野で応用されるもの。
つまり、「波の山と谷の間の距離を表す特性のこと」だと思えばいいのでしょうか。
これを踏まえて可視光の色の説明をしていくと、紫色の波長が約380ナノメートルから赤色の波長が約740ナノメートルの範囲にあるわけです。
この範囲内にある光は紫外線よりも波長が短くて赤外線よりも波長が長いため、人間の目にとって視覚的に感じることができるのです。
可視光の中で波長が短い光は青色や紫色に見えて波長が長い光は赤色や黄色に見えており、日常的に私たちが目にするすべての光源といえるもの、たとえば太陽や電灯やテレビ画面さらにはコンピューターモニターなどからも放出されているのですね。
この可視光で反応する光触媒という便利なモノもあったりします。それが、よく空気清浄機などの一部のフィルター類にも使用されているシステム。
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可視光と光触媒の働きを応用してつくられたフィルター類には、フィルターで吸った空気をこの働きで二酸化炭素と水に分解するという離れ業をやってのける特技もあったりするのです。
では、可視光に反応する光触媒とは、いったいなにもでどういったものなのかを説明したいと思います。
可視光で反応する光触媒とは
触媒とは、化学反応を促進する物質のこと。
通常、触媒は化学反応を進めるために必要なエネルギーを低減させる役割を持ちますが、光触媒は可視光や紫外線などの光を吸収して、化学反応を促進する効果を持ちます。
化学反応とは反応物質から生成物質へと変化するプロセスで、この反応には一定のエネルギーが必要です。
しかし、反応物質から生成物質への変化には多くの場合、高いエネルギーが必要になり、そのエネルギーを加えることが難しい場合もあります。
しかし、ここで触媒が登場してきます。
触媒は化学反応を促進することで、反応のエネルギーを低減させ、反応を速める働きを持つことは知られていますが、触媒自身は反応に消費されることはなく、反応後に元の形に戻ります。
つまり、触媒は反応の速度を上げるだけで、反応自体の方向性や平衡状態には影響を与えません。
たとえば、光触媒には二酸化チタン(TiO2)などの半導体材料がよく使用されますが、二酸化チタンは紫外線を吸収することで電子を励起し、化学反応を促進する働きを持っています。
また、二酸化チタンは、自己洗浄効果や空気浄化効果もあることから、建築物や自動車などの分野で利用されることもあります。
こういった経緯から、今では触媒の特性上多くの化学反応で使用され、工業的な合成やエネルギーの生成に欠かせないものとなっており、金属や酵素、酸化物や有機化合物といった様々な物質使応用されています。
また、触媒の種類や機構によって、反応速度の調節や選択性を制御することができます。
車のマフラーの中にも触媒が!
自動車のマフラーに搭載されている触媒は、排気ガス中の有害物質を減少させる役割を果たしています。
主に排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)を分解する働きがあり、無害な窒素や酸素や水蒸気に変換することを目的としています。
マフラーの中の触媒は主に三元触媒と呼ばれるもので、「プラチナ、ロジウム、パラジウム」など希少金属が触媒として使用され、排気ガス中の窒素酸化物を窒素と酸素に分解する反応(還元反応)と、炭化水素と一酸化炭素を二酸化炭素と水に変換する反応(酸化反応)を同時に進行させることで、排気ガスの浄化を実現しています。
具体的には、排気ガス中の窒素酸化物はプラチナやロジウムなどの希少金属が触媒となり、還元反応を促進します。
それと同時に、炭化水素や一酸化炭素はパラジウムなどの希少金属が触媒となり酸化反応を促進します。
このような働きから、三元触媒が排気ガス中の有害物質を分解して無害な成分に変換することで、環境汚染を抑制するマフラーに使用され効果を生み出しているわけです。